仕事したり酒飲んだり日記

シナリオライター・持田康之のブログです

行ったぜ西安&上海(3) 2017/05/03 難しすぎるぜ この漢字

 5/3(水)

 始皇帝陵からバスに揺られて西安駅に戻ってくると、雨は完全に上がって太陽が顔を出している。時刻は午後の3時ぐらい。宿に帰るには、まだちょっと早い気がする。

 というわけで、今朝も使った五路口駅から地下鉄に乗って「鐘楼」まで行ってみることにした。

  北大街駅のひとつ先にある鐘楼駅を出ると大きな広場があり、道路を挟んだ向こう側には駅名の由来になった「鐘楼」が見える。入場料を払えば鐘楼と、すぐ近くにある「鼓楼」の中を見ることもできるけど今日の所はパス。

 

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これが鐘楼。

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こっちは鼓楼。中に入るのはまた今度。

 

 鐘楼・鼓楼の中に入らず向かった先は、鼓楼のすぐそばにある「回民街」。このあたりには古くからのイスラム寺院があり、イスラム教を信仰する「回族」の人たちが多く住んでいる。そして、西安の名物料理を食べさせてくれるお店や屋台の立ち並ぶ、グルメストリートでもある。

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 観光客でごった返す街の中を、でっかい羊の串焼きなんか食べながらブラブラ歩いていると、いつの間にか時刻は6時近く。いったん宿に戻って一息入れよう。

 てなわけでユースホステルに戻って、しばらく子供向けアニメチャンネルなど見ながら休息タイム。言葉がわからなくても、だいたい何が起きてるかわかるキッズアニメはこういうとき非常にありがたい。

 

 アニメを観ているうちに腹が減って来たので、夕食に出かけることにした。ユース周辺はけっこうにぎやかな通りで、食堂は何軒もある。主に麺類を出すお店が多いみたいだ。「何食おうかな……」と考えながら通りをうろついた末、「ビャンビャン麺」と看板に書かれたファーストフードっぽい作りの店に入ることにした。

 ちなみに「ビャンビャン麺」、もちろんお店の看板には漢字で表記されているわけだが、この漢字ってのがまたすごい。こんな字だ。

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 もちろんパソコンでもスマホでも変換できないし、この字を書きとりさせられたらと考えるだけで、心のどっかがペキペキと折れそうなすさまじい漢字。それが「ビャン」。この「ビャン」の字をふたつ重ねて下に「麺」という字を書き足せば「ビャンビャン麺」という料理名の完成。先にネットで調べてなかったら、絶対読めんわこんな漢字!

 

 いやまあそんなことより、カウンターに行ってバイトのお嬢さんに料理を注文しなきゃならないわけだが、なにしろこっちは言葉ができないので事はそう簡単じゃない。

「ビヤンビヤンミェン」という発音はどうにか通じて、ほっと胸をなでおろしたのもつかの間、お嬢さんはたたみかけるようにいろいろと質問してくる。メニューや店内のあちこちを指さし、何度も聞き返したあげく、どうやら「麺は2つ? 3つ?(普通盛りが2、大盛りが3らしい)」「飲み物がセットでつくけど、どれ?」「唐辛子は入れていい?」ということをお嬢さんはお尋ねになっておられるのだと理解し、「2つで充分ですよ!」「スプライトくらさい!」「唐辛子は少なめでよろぴく!」といった内容をお伝えして、無事注文を終える。注文を追えた瞬間、ほっとしたような笑みを浮かべるお嬢さんと俺との間に、謎の連帯感が生まれたような気もするが気のせいかも知れない。

 

 ちなみに注文に大汗をかき、バイトのお嬢さんにいらん苦労をかけつつゲットしたビャンビャン麺とはこういう麺だ。

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 ざっくりと言ってしまうと、超幅広の短い麺にラー油っぽいたれを混ぜて食べる麺なのだが、見た目ほど辛くはなくて酸味があって、わりとあっさりしている(唐辛子は多めでもよかったかもしれない)。麺は普通盛りだがけっこう量があって、すきっ腹にはちょうどいい。

「ビャンビャン麺……いいじゃないか」と某ゴローさん風に満足してユースに戻り、翌日のためにデジカメを充電しようとしたのだが、なんとそこに、この旅最大のピンチが待ち受けていた!

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「デ、デジカメの充電器、間違えて持ってきてた……」

というわけで翌日以降、写真はスマホのカメラ機能だけで撮ることになる。